2020年1月25、26日の2日間、兵庫医科大学医療人育成研修センターでJ-CMELSベーシックコースを開催しました。
兵庫県助産師会では初めての開催でしたが、総勢17名の経験豊富な“スーパー”インストラクター・インストラクター補助の先生方の熱い思いとサポーターの皆様の多大なるご協力、そして受講生の皆さんの熱意により、無事に終えることができました。ありがとうございました。
受講生は兵庫県下で勤務の産婦人科医1名、看護師1名、他は全員助産師で、新人助産師から助産師歴30年以上の方までおられ、また勤務先も助産所、病院、クリニック、教育機関など、非常に多岐に渡りました。
前半のレクチャータイムでは、産科急変対応のプロトコールの概説、BLSの基本手技についてのお話があり、その後音楽※に合わせて5分間、3人で交代しながら実際に胸骨圧迫を行いました。受講生の皆さんは効果的な胸骨圧迫の手技を確認するとともに、効果的な胸骨圧迫を継続することの難しさを実感されていました。(※「ダイヤモンド 心肺蘇生」で検索できます)
後半は6人ずつのグループに分かれて、「心肺蘇生への対応」、「大量出血への対応」、「急変の気付きと初期行動」について、6つのシナリオ演習を行いました。
3人で一つのチームになり、実際に自施設にある設備を想定して急変時の対応を実践しました。どのシナリオも“めったに遭遇しないけれど、明日にでも遭遇するかもしれない”という、非常に緊急度の高い事例で、最初は受講生の皆さんの緊張感も高い様子でした。
しかし、産婦や家族役のインストラクターの先生方のくすっと笑えるような(ただ面白いだけでなく、実際に遭遇するであろう)言動や、「あっ、そうか!」と気付きを促す一言で、だんだん皆さんの声が出て体も動くようになり、母体救命という目的を達成すべく、チームの技術や雰囲気がどんどん高まっていきました。
各シナリオ演習の後には十分な振り返りの時間もあり、インストラクターと受講生の間で、活発な質疑応答や意見交換がなされていました。
受講生の皆さんからも「急変対応は経験がないので緊張したが、インストラクターの声かけによって、安心して実施できた」、「実際にあたることが少ない症例も考えながらでき、細かく教えていただき楽しかった」、「実際の場面が思い浮かべられるような臨場感のある講習会だった」などの意見をいただき、実践に活かせる内容で有意義な時間であったと非常に好評でした。
母体の急変時対応は、周産期医療に関わるスタッフ全員に必要な技術です。本研修会の受講だけで終わらず、ぜひ実際の現場でも活かしていただきたいと思います。
次年度も開催を予定しております。皆様、ぜひご参加ください。